
最大限永く、
ドライフラワーをお楽しみいただくには、
直射日光や高温多湿を
避けることに尽きます。
ドライフラワーを長く楽しんでいただくために、まず大切なのは、直射日光や強い窓辺の光を避けること。そして、湿度が高い状態を長く続けないことです。
水やりの必要がないドライフラワーですが、乾いたあとも、まわりの空気と水分を少しずつやり取りしています。湿気の多い日は水分を受け取り、乾燥した日は水分を手放すため、お部屋の湿度によって、花や葉のしなやかさ、形、壊れやすさも少しずつ変わります。
①ドライフラワーは、屋外や太陽の光が直接当たる窓際を避け、強い光が長時間当たらない場所に飾る。
②ドライフラワーは、空気がよどみにくく、湿度の低い場所に飾る。
とくに東京では、梅雨だけでなく、夏から秋雨の季節まで湿度の高い日が続きます。冷房や除湿機などを上手に使い、高湿度が長く続かないようにすることは、ドライフラワーをできるだけ良い状態で楽しむためにとても有効です。
ドライフラワーのある部屋の、
湿度を低く保つ。
ドライフラワーは、湿度が低ければ低いほど良いというわけではありません。乾燥しすぎると花材によっては脆さが増し、反対に高い湿度が長く続くと、吸湿による型崩れやカビなどのリスクが高まります。
大切なのは、極端に乾燥させることではなく、高すぎず、低すぎず、湿度が大きく変化しにくい環境をつくることです。
ドライフラワーを長持ちさせるための、Tida Flowerのおすすめ管理目安は40〜55%程度。
すべてのドライフラワーに共通する、科学的に決められた「唯一の理想湿度」があるわけではありません。
そのうえでTida Flowerでは、保存科学の知見と、日々さまざまなドライフラワーを扱ってきた経験から、ご家庭では湿度40〜55%程度、とくに45〜50%前後を中心に保つことをおすすめしています。
55%を超えたからといって、すぐにドライフラワーが傷むわけではありません。60%台、70%台という一瞬の数字よりも、高い湿度が何時間、何日と続くことの方が重要です。
湿度が高い状態が続くようでしたら、冷房、エアコンの除湿運転、除湿機などを使い、できるだけ55%程度まで戻すことをひとつの目安にしてみてください。
小さな温湿度計を、お花を飾っているお部屋にひとつ置いておくと安心です。
冬の30%台前半以下は、乾燥しすぎにもご注意ください。
冬の暖房中など、30%台前半以下の乾燥した状態が長く続くと、植物材料はより乾燥し、花材によっては脆く感じられることがあります。
この場合でも、花のために加湿器の蒸気を直接当てる必要はありません。暖房や空調の直風を避け、触れたり移動したりする回数を少なくして、少し丁寧に扱っていただくのがおすすめです。
(梅雨時期〜秋雨の季節)
連日の雨による、高い湿度にご注意ください。
東京では梅雨の6月、7月だけでなく、夏から秋雨の季節まで湿度の高い日が続きます。
気象庁の平年値では、東京の屋外の月平均相対湿度は、6月75%、7月76%、8月74%、9月75%、10月71%。梅雨から盛夏、秋雨や台風の季節まで、湿度に注意したい時期が続きます。
10月は夏に比べて空気中の水分量は下がりますが、秋雨などで雨の日も多いため、室内の湿度は引き続き確認しておくと安心です。
もちろん、屋外の湿度がそのままお部屋の湿度になるわけではありません。建物や空調、暮らし方によって室内環境は異なりますので、実際のお部屋の湿度を温湿度計で確認してみてください。
ドライや冷房、除湿機も効果的です。
エアコンの「冷房」も、空気を冷やす過程で水分を取り除くため、除湿効果があります。「ドライ」や「除湿」モードの仕組みは機種によって異なります。
そのため、「必ずドライが良い」「冷房より除湿が良い」と決める必要はありません。
大切なのは、運転モードの名前より、実際のお部屋の湿度が40〜55%程度へ戻っているかを見ることです。
※直接風がお花に当たり続けないよう、風向きにもご注意ください。
晴れた日でも、
窓を開ければ必ず湿度が下がるとは限りません。
以前は、雨が上がった晴れの日には窓を開け、室内の湿度を下げることをおすすめしていました。
しかし、東京の梅雨から夏は、晴れていても外の空気そのものに多くの水分が含まれている場合があります。そのため、冷房や除湿で室内を乾かしているときに窓を長く開けると、反対に外から湿気を取り込んでしまう日もあります。
換気は必要ですが、「晴れたから窓を開ければ乾く」と決めず、窓を開けたあとの室内湿度を確認してみてください。湿度が上がるようでしたら、必要な換気を終えたあとに窓を閉め、冷房や除湿機を使う方が安定します。
ドライフラワーは、
風通しの良い、湿度の低い場所に飾る
雨の日の窓際、湿度が高くなりやすいお部屋、玄関、洗面所などにお花が飾られている場合には、一度、その場所の湿度を確認してみてください。
ここでいう「風通しの良い場所」とは、強い風を直接当てるという意味ではなく、空気がよどみにくい場所です。
場所の名前だけで判断するのではなく、実際の温湿度を確認しながら、できるだけ40〜55%程度に保ちやすい場所へ移していただくのがおすすめです。
湿度が高く、とくに置かないほうがいい、
ドライフラワーにNGな環境
・結露しやすい窓まわり
・湿度の高い洗面所や水まわり
・雨の日に湿気がこもりやすい玄関
・加湿器の蒸気やミストが直接当たる場所
・夏に高温になる締め切ったお部屋
・暖房器具や空調の吹き出し口の近く
・直射日光や強い窓辺の光が長時間当たる場所
・雨や日差し、温湿度変化を直接受ける屋外
など。
玄関や洗面所でも、実際の湿度が低く安定していれば、一律に飾れないわけではありません。その場所の温湿度を確認していただくことが、いちばん確実です。
直射日光や、
強い窓辺の光にもご注意ください。
ドライフラワーの色をできるだけ長く楽しむためには、湿度と同じくらい、光も大切です。
植物材料は、紫外線だけでなく、目に見える光によっても少しずつ退色や色の変化が進みます。そして光の影響は、受けた時間の積み重ねによって大きくなります。
そのため、直射日光だけでなく、一日中強い光が入る窓辺を避けていただくと、もとの色合いをよりゆっくり楽しめます。
暗い場所に置く必要はありません。太陽の光が直接届かない、やわらかな室内光の場所がおすすめです。
プリザーブドフラワーは、特に湿度に注意
Tida Flowerの作品には、ナチュラルドライフラワーを中心に、作品によってプリザーブドフラワーや染色された花材を組み合わせる場合があります。
プリザーブドフラワーや染色花材は、メーカーや加工方法によって湿度への反応が異なり、高湿度になると、色移り、染み、花びらの半透明化、液状成分のにじみなどが生じる製品もあります。
過去にTida Flowerで扱った一部の加工ユーカリでも、高湿度の時期に色液がにじむ例を確認したことがあります。
そのため、プリザーブドや染色花材を含む作品についても、Tida Flowerでは湿度40〜55%程度をひとつの管理目安としてご案内しています。
壁紙、布、家具などへ直接密着させず、湿度の高い季節には少し間をあけて飾っていただくと安心です。
ドライフラワーが悪く匂う場合
ドライフラワーから香りを感じる場合がありますが、「においがする=カビ」とは限りません。
使用している花材によっては、植物本来の香りを感じる場合があります。たとえば、かすみ草には品種によって特徴的な香りがあり、生花の研究では3-メチル酪酸(イソ吉草酸)や2-メチル酪酸といった成分が、その独特の香りに関係することが確認されています。
Tida Flowerで扱う中では、スターチスなどにも花材特有の香りを感じる場合があります。また、白色やオフホワイトなどに加工された花材では、製品によって加工に由来する香りを感じることもあります。
いつもと違うにおいが気になる場合には、湿度だけで判断せず、まず花そのものの状態も確認してみてください。
カビが疑われる場合
白、灰色、緑、黒などの斑点や、綿のようなものが広がっている。いつもとは違う、かび臭いにおいがする。こうした変化が見られる場合には、カビの可能性があります。
ほかの花へ広がらないよう、まずその花材を離してください。室内で強く息を吹きかけたり、ブロワーやブラシなどでカビらしきものを飛ばしたりすることはおすすめしません。
広い範囲にカビが確認できる場合には、一般家庭で飾るドライフラワーであれば、無理に再利用せず処分していただく方法が安心です。
見た目に変化がなく、植物本来の香りや加工花材の香りと思われる場合には、湿度の低い場所へ移し、少し様子を見てくださいませ。
ドライフラワーを長持ちさせるために、
まず覚えておきたいこと。
花のそばに、小さな温湿度計をひとつ。
Tida Flowerのおすすめ管理目安は、湿度40〜55%程度。とくに45〜50%前後を中心に、急な上下が少ない環境をおすすめします。
55%を超えたからといって、すぐに傷むわけではありません。
大切なのは、高い湿度を長く続けないこと。60%台以上が続くようでしたら、少し意識して除湿をしてください。
冬の30%台前半以下では、花のために加湿するより、そっと扱う。
暖房や空調の直風を避け、触れたり移動したりする回数を少なくすると安心です。
窓辺は、湿度と光の両方を見る。
夏は、窓を開ければ必ず室内が乾くとは限りません。また、窓辺は強い光を受けやすいため、直射日光だけでなく長時間の強い光にもご注意ください。
プリザーブドや染色花材は、壁や布への色移りにも注意。
高湿度になると、製品によって色移りや液状成分のにじみが生じる場合があります。
ドライフラワーも、
お部屋の空気と
無関係ではありません。
雨の多い日は、少し水分を受け取り。
冬の乾いた日は、また少し手放していく。
ドライフラワーは、乾いたあとも、そのお部屋の空気の中で少しずつ変化しています。
温湿度計をひとつ置いて、その日の空気を知ることは、花を厳しく「管理する」というより、暮らしの中で、花の時間に少し気を配ることなのだと思います。
色が少しずつ淡くなったり、植物の風合いが変わったりすることも、ドライフラワーが時間を重ねていく姿のひとつ。
直射日光や強い光、極端な湿度を避けながら、その変化も含めて、最大限永く植物のある景色をお楽しみいただけましたら幸いです。
この記事の湿度目安について
本記事でご案内する「40〜55%程度」は、すべての花材に共通する科学的な唯一の理想湿度ではありません。
植物材料の保存科学では、低すぎる湿度では乾燥や脆化が進み、高い湿度が長く続くと、吸湿、変形、カビなどのリスクが高まることが知られています。
Tida Flowerでは、こうした保存科学の知見と、日々さまざまなドライフラワーを扱ってきた経験をもとに、ご家庭で実践しやすく、少し安全側に置いた管理目安として、40〜55%程度をご案内しています。
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