
磁器、半磁器、陶器。
白いうつわ展
8/15–8/31, 2026
異なる素材と手仕事から生まれる、それぞれの白。
艶を含む白。
輪郭に細い影を落とす白。
土の粒や揺らぎを残す白。
彫りや凹凸の奥に、表情を抱く白。
8/15(土)より、TOKYO FANTASTIC 201にて、4組の陶芸家と陶磁器ブランドが集う「白いうつわ展」を開催いたします。
奥絢子さんの磁器。
暮縞の半磁器。
心日和さん、古谷製陶所さんの陶器。
同じ「白」と呼ばれるうつわを、素材や技法、輪郭の違いから見つめる企画展です。
ひとつの色の中にある、
いくつもの白
今回のビジュアルでは、深い青の上に、輪郭も質感も異なる白いうつわを並べました。
花びらのようにひらく輪郭。
端正な八角形。
やわらかな楕円。
ふっくらと実った、りんごのかたち。
細かな凹凸をまとった縁。
色を白だけに絞って眺めてみると、それまでひとつの「白」として見ていたものの中から、釉薬の艶、土の粒、縁や稜線、わずかな色味の違いが浮かび上がってきます。
磁器の白と、半磁器の白。
土の上に生まれる陶器の白。
光を受けたとき。
手に取ったとき。
料理を盛ったとき。
同じ白でも、その表情は一客ずつ異なります。
この夏のTOKYO FANTASTIC 201では、4組の作品をひとつの空間に並べながら、「白いうつわ」という一つのテーマの中にある、さまざまな手仕事を見つめます。
端正さとやわらかさが重なる
奥絢子(磁器)
奥絢子さんから届くのは、白い磁器のうつわ。
奥さんとTOKYO FANTASTICとのご縁は、2016年まで遡ります。
同年の「お茶と茶器と鉄瓶市」、そして第1回となる企画展「メイドイントーキョー」へのご出展から、個展やさまざまな企画展を重ねながら、長く作品をご紹介してきました。
今回あらためて、奥さんの白い磁器がTOKYO FANTASTIC 201へ届きます。
輪郭に沿って生まれる、
白の中の細い影
奥さんの作品に感じるのは、磁器ならではの端正さと、それだけでは終わらない、触れて確かめたくなるようなやわらかな輪郭です。
輪花や雲形、双葉など。
花びらのように連なる縁や、すっと立ち上がる稜線に光が触れると、白い面の中に細い影が生まれます。
まっすぐなところと、やわらかく曲がるところ。
シャープな輪郭と、手の中へ収まるやさしい曲線。
ひとつの器の中で、異なる感覚が自然に重なっています。
白という色だけでなく、縁の厚みや稜線、光を受けたときに現れるわずかな陰影まで、ゆっくりとご覧いただきたい作品です。
暮らしの風景をつくる白
暮縞(半磁器)
陶磁器ブランド・暮縞は、今回がTOKYO FANTASTIC 201では初めてのご出展です。
暮縞が大切にしているのは、器を暮らしから切り離されたものとしてではなく、日々の風景をつくる存在として考えること。
重さや肌触り、口当たりまでを見つめながら、使う人の日常へ自然に入っていく器を制作されています。
タタラから生まれる、
自由な輪郭
暮縞では、主にタタラ技法を用いて器を制作しています。
板状にした土から形をつくることで、ろくろでは生まれにくい自由な輪郭へ。
曲線の器。
八角形の器。
花を思わせる輪郭。
静かな装飾をまとった白。
整っているようで、近づいて見ると、一つひとつの線や面に手仕事の気配があります。
ブランド名の「暮縞」は、活動のはじまりに制作していた縞模様の器と、「暮らしを彩ってほしい」という思いから生まれた名前です。
気負わず使いながら、日々の風景の中で少しずつ身近になっていくこと。
この夏、暮縞の白が初めてTOKYO FANTASTIC 201の空間に加わります。
心が満ちてゆく陶
心日和(陶器)
2024年、「TOKYO FANTASTIC MARKET 1st」というクリスマスマーケットで、初めて作品をご紹介した心日和さん。
そのとき、私たちが心日和さんの器へ綴った言葉が、
「心が満ちてゆく陶」
でした。
今回の「白いうつわ展」で、再びその白と出会います。
艶と揺らぎ、
白い面に広がる細い線
縁のやわらかな立ち上がり。
釉薬の厚みや濃淡。
作品によって見られる、白い面に細く広がる貫入の線。
整いすぎないわずかな揺らぎが、白い器の輪郭にやわらかな表情を残しています。
どこか時間を重ねてきた器を思わせるような佇まいも、心日和さんの作品に感じる魅力のひとつです。
見たとき。
手に触れたとき。
料理やお菓子を盛り、実際に使ったとき。
器の印象は、少しずつ変わっていきます。
何気ない食卓やお茶の時間へ、小さな満ち足りた時間を連れてきてくれること。
心日和さんの白は、今回も、私たちにとって「心が満ちてゆく陶」です。
白の奥に、土の気配を残す
古谷製陶所(陶器)

滋賀・信楽に工房を構える、古谷製陶所。
2024年の「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK」では、信楽焼のつくり手としてご出展いただきました。
その後、2025年の「白と青のうつわ展」にもご出展いただき、今回の再会を心待ちにしていました。
古谷製陶所さんを代表するのは、粉引のうつわです。
赤土、白泥、釉薬。
重なりから生まれる粉引の白
鉄分の多い赤土に白泥を掛け、その上へ釉薬を重ねる。
表面だけを見れば白いうつわですが、その白の奥には、土の色が静かに残っています。
作品によって現れる細かな鉄点。
釉薬の流れや濃淡。
削りの稜線に沿って変わる白の表情。
縁から時折のぞく、素地の気配。
均一ではないことが、粉引の白に奥行きをつくります。
古谷製陶所では、粉引の風合いを大切にしながら、日々の食卓で扱いやすい器へ近づけるため、本焼きを二度行っています。
目で見える白だけではなく、その一客が日常の器になるまでに重ねられた、見えない火の工程もあります。
料理を盛って、
暮らしの中で完成していく器

これまでTOKYO FANTASTICでも「料理がおいしくなるうつわ」としてご紹介してきた、古谷製陶所さんの作品。
代表作の「りんご鉢」をはじめ、花のような輪郭、八角の器、コンポートやマグなど、粉引の白にさまざまな形が重なります。
作品だけを眺めて完結するのではなく、料理を盛り、手に取り、繰り返し使うこと。
長く受け継がれてきた粉引の白が、今の食卓に自然と馴染む輪郭へとつながっています。
4組の白を、
ひとつの空間で見比べる
磁器、半磁器、陶器。
同じ「白」と呼ばれるうつわでも、白が生まれる素材も、工程も、手に触れたときの感覚も異なります。
艶のあるところ。
光沢を抑えたところ。
稜線がつくる影。
釉薬の溜まり。
土の粒。
細かな貫入。
縁に残る、わずかな揺らぎ。
一客だけを見ていると気づかなかったものが、異なる白と隣り合うことで、よりはっきりと見えてくることがあります。
長く重ねてきたご縁。
待ちに待った再会。
そして、この夏に始まる新しい出会い。
4組の白がひとつの空間に並ぶことで、それぞれの輪郭や質感、作り手の手の跡が、いっそう鮮やかに立ち上がってくるはずです。
白だからこそ見えてくる、素材の違い。
白だからこそ感じられる、形の違い。
ご自身の食卓や食器棚に並ぶ姿を思い浮かべながら、これから一緒に時間を重ねていく一客と、ゆっくり出会っていただけましたら嬉しいです。
白いうつわ展
会期とご案内

白いうつわ展
White Ceramics Collection
2026年8月15日(土)-8月31日(月)
※毎週水曜日は定休日です。
奥絢子(磁器)
暮縞(半磁器)
心日和(陶器)
古谷製陶所(陶器)
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